Class of 2021 ​合格体験記

S.N. (インフラ)

 

1. はじめに(留学を目指した背景・理由)

公共企業体から自らを民営化して発展してきた組織で5年余り働くなかで、内外からの反発をうけながらも自ら変革を起こし発展する組織とはどのようなものか(戦略論、組織論)、組織を勝利に導くリーダーシップはどのようなものか(個人の要素)ということに強く興味を持つようになりました。大学では専ら法律を学習し、その独特の論法や(しばしばretrospectiveな)考え方は身に付けていましたが、国家にしろ企業にしろ、組織やそれを率いる個人の在り方について集中的に学び、将来に向かって自分や周囲を動機づける力を養いたいと思い、社内の留学制度に応募することにしました。

 

2. なぜフレッチャースクールを選んだのか

上記のような興味関心を持つ者にとっては、戦争から平時の国家運営、さらにはベンチャーの経営戦略に至るまで、官民・大小様々な規模感、また古代ギリシャから現代の国家運営・企業動向に至る時間軸で学習できる環境は他の大学院にはなく、決め手になりました(合格校の中では、ジョージタウンMSFSと最後まで迷っていました)。また補助的には、ハーバードやMITなどの近隣の大学はもちろん、有名企業やベンチャー企業との学際的交流のハードルが低く、知識や経験をアップグレードする環境として最適だと思ったことも、最終的にフレッチャーを選ぶ後押しになりました。

3. 受験対策

(1) 主なスケジュール

2018.3 社内選考に合格(TOEFLは74点)

2018.7 異動、予想外に忙しくなる

2018.10 かろうじてTOEFL100点達成(出願スコア。11回目の受験)

2018.10 GRE(V:148, Q162, AWA4.0):AWAがよかったので1回で受験終了

2019.1 計7校(アメリカン、ジョージタウン、フレッチャー、UCサンディエゴ、ジョージワシントン、SAIS、SIPA)に出願

2019.3 ジョージワシントン以外に合格

(2) レジュメ / エッセー

あまり参考にしないでほしいですが、レジュメは12月に入ってから、エッセーは12月末になってから一気に書き上げました。TOEFLのスコアメイクに思いのほか時間がかかったこと、異動後の部署での業務が繁忙だったことが原因で、とても苦しい思いをしました。逆に、そこまで追い込まれてもまだ可能性があるということ(あきらめないでほしい)だとも思います。

レジュメもエッセーも、内容は「自分の強みは何か」というシンプルな軸で構成していました。サークルなら役職名ではなくそこで何をしたのか、仕事なら部署名ではなく自分が発揮した価値は何かといった感じです。入学後も大事になる視点だと思うので、いい練習だと思って取り組むとよいのではないかと思います。ただし、エッセーはそもそも何が求められているのかをしっかり設問で確認して構成に入る必要があると思います。

 

(3) 推薦状

プロフェッショナルから2通、アカデミックから1通ご執筆いただきましたが、特筆すべき点があるとすれば、大学のゼミの教授が公職についていて公平性の観点から執筆を断られてしまったことです。最終的に仕事先の関係者に大学で教えたことのある弁護士の方がおり、その方にご執筆いただいて事なきを得たのですが、ご執筆いただけるかどうかが分からない段階で、全出願校のアドミッションにメールで事情を説明しておきました。トーンの違いはあれど、全出願校とも「アカデミックからの推薦状はなしでも出願OK」の返事をいただけたので、同じような苦労をする方がおられたら参考にしてください。自分に非がない限り、あきらめる必要はありません(最終的に、断られてしまった教授も個別に出願校にメールを出して事情を説明して下さり、さらにプラスに働いたのではと思っています)。

 

(4) TOEFL

上記の通り、11回目の受験でようやく、かろうじて目標にしていた100点を達成しました。海外経験のない日本人の多くはリスニングの点数向上がカギになると思いますので、早いうちから継続的に学習されることをお勧めします。また、私は最後までライティングが22点までしか伸びませんでしたが、GREのAWAでは一発で4.0が取れているので、人によって相性があるのだと思います。何か一つくらい苦手なセクションがあっても、戦略次第で100点獲得は可能だと思います。

 

(5) GRE  / GMAT

MBAの出願は考えていなかったのでGREを選びました。有名なオンライン講座や市販の問題集を使って半月ほど対策をして受験しました。個人的な感想ですが、Vは難しすぎて勉強してもなかなか点数に結びつかず、逆にQはセンター試験の数学レベルの知識でほとんど解けてしまいます。またAWAも、TOEFLとは違って与えられた命題の穴を見つけて反論しながら作文することなどが求められますが、やはり対策に長期間を費やすものでもありません。なので、1、2回過去問を解くなどして問題の全体像を掴んだあとは、1度で終えてしまうくらいのつもりで早めに受験してみるとよいのではないかと思います。

 

4. 最後に(実際にフレッチャーに来ての印象、受験生へのメッセージ)

私はMIBプログラムに入りましたが、1で述べた興味関心に沿う形で大変幅広い分野の勉強を濃い密度でできています。例えばMIBの最初の学期のプログラムは他校のMBAのカリキュラムとほぼ同じで、かつプラスアルファで安全保障の授業を取ることができるようなイメージです(逆に、MALDやLLM、MAといった他のプログラムでもビジネスの授業をある程度取ることができます)。教授陣も学問・実務の双方に通じた方が多く、(勉強はとても大変ですが)頑張るモチベーションが尽きることはありません。政府機関からコンサル、ベンチャーまで、フレッチャーに集まる学生のバックグラウンドも多様です。他校の学生等との政策、ビジネス、テクノロジーにまつわる交流の機会が得られていることも併せ考えると、大変恵まれた環境にあるといってよいと思います。以上の内容が、フレッチャーを志望される方の参考に少しでもなれば嬉しく思います。

S.S. (官公庁)

 

1. はじめに(留学を目指した背景・理由)

将来、世界を舞台に活躍できる安全保障のエキスパートになるため留学を志望しました。そのためには国際交渉や国家間の政策の調整など、実務の場において実際に「使える」英語力を習得する必要があるため、北米の国際関係大学院をいくつか志望しました。

 

2. なぜフレッチャースクールを選んだのか

その中でもフレッチャースクールはジョセフ・ダンフォード元統合参謀本部議長や明石康元国連事務総長をはじめとする軍や国際機関の最高幹部を数多く輩出しており、現在でも米軍の若手トップクラスがキャリアアップの一環として多く在籍していることから、自分にとっても有益な環境だろうと考え、志望しました。フレッチャースクールに実際に通ってみると、米軍の幹部だけでなく、FBIやCIAといった情報機関とも深い繋がりがあり、講義やセミナーなどを通して最新の戦略情報、軍事情報に触れることができました。例えば、私の修士論文の指導教授のリチャード・シュルツ教授は、アフガニスタンにおける対テロ戦争において米軍の戦略の理論的支柱を構築された方であり、授業の無い日にはホワイトハウスから多くの来訪者を迎えていました。更に、国務省との繋がりも深く、私が履修した米露関係についての授業では、現役の駐ロシア米国大使によるレクチャーなども開催され、ロシアのウクライナ侵攻や英国における元情報局員殺害事件の真相などについて「生」の声を聴く機会がありました。こうした躍動感溢れる学びの機会は米国の実務者とのコネクションを豊富に有するフレッチャースクールならではの経験と言えるでしょう。

3. 受験対策

(1) 主なスケジュール

私の場合、11月に出願するアーリーアドミッションという制度を活用しました。これは11月に出願、1月に合否発表という、通常のプロセスよりも3か月ほど早く合格がわかる仕組みです。このプロセスを使うと、出願者があまりいないため、通常の選考過程を選択した場合よりも少し有利だった気がします。フレッチャースクールはTOEFLだけでなくIELTSでも受験可能なため、私はIELTSのスコアを出願する年の2月までに取得し終えました。出願する直前になると併願先の出願書類の作成に労力を割かれるとの情報があったためです。私の場合、無事に前年2月までにIELTS7.5点(Reading:9.0, Listening:8.5, Writing:7.5, Speaking: 6.5)を取得することができました。フレッチャースクールのボーダーは総合で7.0でしたので、ギリギリではありましたが、フレッチャースクールの場合、実際はあまり英語のスコアで差が付くことは無いため、とりあえずボーダーラインは突破しておくことが大事です。出願書類の作成は出願する年の4月頃から開始しました。これも早めに開始して他の人に差をつける作戦です。この作戦は功を奏し、フレッチャースクールの他にも英国ではLSE、米国ではUCSD、ジョージタウン等からも複数の合格をもらうことができました

(2) レジュメ / エッセー

レジュメ、エッセーは自分で9月までにドラフトを作成し、10月以降はプロの添削サービスを使ってブラッシュアップを行いました。お世話になったサービスはアイビーリーグコンサルタントという業者です。日本人の奥さんを持つアメリカ人(シカゴMBA卒)がほとんど個人でやっていて、極めてビジネスライクですが、とても信頼できる方です。米国の大学院に合格するためにはこのレジュメ、エッセーの質がとても大事ですので、少しお金はかかりますがしっかりしたものを作成することをお勧めします。私の場合、夏のボーナスがほとんど添削代に消えましたが、フレッチャースクールで最高充実した研究生活を過ごさせていただいた今、まったく後悔はしていません。

 

(3) 推薦状

フレッチャースクールではアカデミックと実務からそれぞれ3通ずつ、3通目は自由に依頼というスタイルでしたので、アカデミックは国内大学院(一橋大学国際公共政策大学院)の時にお世話になった教授、実務は前の職場の上司、3通目は現在の職場の上司にお願いして書いていただきました。推薦状はただでさえ多忙を極める上司や研究、講義で忙しい教授にお願いしなければならないため、必ず余裕を持ってお願いすることが大切です。私の場合、早めにスコアを取得できていましたので、事前にアポを取って直接相談に行きました。そうすることで丁寧な印象を持ってもらうことが可能ですし、近況報告もできますのでお勧めです。

 

(4) TOEFL

TOEFLは103点、IELTSは7.5点が最高得点でした。私の場合、リーディングは満点を連発していたのですが、ライティングとスピーキングがボロボロで、どんなに回数を重ねても伸び悩んでいる状態でした。TOEFLもIELTSも、ライティングは参考書に載っているフォーマットを覚え、その通りに書くことである程度の点数を取ることは可能です。ただ、TOEFL20点以上、IELTS8点以上の高得点を狙おうとするならば参考書の紋切り型のフォーマットでは通用しません。使う語彙やチャンクになっているフレーズなどを効果的に使う必要があるためです。ただ、働きながら受験する場合ですとどうしてもそこまで手が回らないのが現実ですので、とにかく受験する回数を増やし、場慣れしていくことで書くスピードを上げ、時間的制約のある中で分量を書く練習をしました。特にTOEFLの場合、分量を多く書くことが大切ですので、指定されている語数よりも20%以上多く書ききる能力をまずは身に着けてください。スピーキングについては、TOEFLは参考書に載っている回答例を覚えていけばパターン化されていますので、それほど苦労せずに20点越えできると思います。一方、IELTSはコンピュータではなく生身の試験官との対話になりますので、ネイティブとの会話に慣れていないと緊張してしまい、実力の半分も出せずに会場を後にすることになります。私も何度も悔しい思いをしましたが、やはりこれも慣れと相性です。試験官と目があった瞬間に、この人となら話が合いそうだ、と感じた場合はだいたいいい点数が取れています。緊張したとしても、会話を楽しむくらいのポジティブな姿勢で臨むと良いと思います。

 

(5) GRE  / GMAT

フレッチャースクールの場合、GREが必須です。ただ、そのウェイトは高くないです。英語非ネイティブの場合、Verbalの点数はほとんど見ておらず、Mathが平均以上取れているかを見られています。GREのMathは高校1年生の数学とほとんど同じレベルですので、チャート式などを買って記憶の底に眠っている数学の知識をおさらいした上で、専用の問題集を買って勉強すれば一か月で平均点以上取れます。私は完全な文系人間ですが、この方法で勉強し、1回だけ受験して平均以上を取ることができました。

 

4. 最後に(実際にフレッチャーに来ての印象、受験生へのメッセージ)

フレッチャースクールは留学生の比率が40%と、他の米国の大学院よりも高い傾向にあり、世界中からそれぞれのバックグラウンドを背負った学生が集まっています。それぞれの学生の育った歴史や文化が異なりますので、政治・経済に対する価値観も当然に異なり、授業ではしばしば激しいディスカッションになります。しかし、この多様性こそ、様々な学生が集まってくるフレッチャースクールならではの魅力であると思います。また、授業では教授が一方的に話すのではなく、必ずと言って良いほどディスカッションの時間があります。そこでは教授やクラスメートがそれぞれ教授のレクチャーに対して自分の意見述べるのですが、意見を述べない学生に対する教授やネイティブの学生の評価は厳しいです。日本人としてこの問題についてどう考えてるのか、意見を述べないことはそこに存在していないこと、何も考えていないことと同じであるとの評価を受けます。私も当初は挙手する勇気すら無く、ネイティブの学生からは名前も覚えてもらえない時期がありました。しかし、半年もすると積極的に手を挙げる習慣が付き、微力ながら日本の代表として自分の見解を述べることができることができるようになりました。コロナウィルスによる感染症で、授業はオンラインへの移行を余儀なくされていますが、悪いことばかりではありません。オンライン授業での挙手はパソコン上の青色の手型のボタン一つでできます。誰の目も気にすることなく、ポチっと押して、画面に向かって自分の意見を述べるだけです。シャイな日本人にとってはむしろクラスでプレゼンスを発揮する絶好のチャンスではないでしょうか。

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